侍は、朝廷に奉職するれっきとした軍事貴族であります。
朝廷には沢山の門構えがあります。右右衛門や左右衛門を守護する侍たちが数多存在しました。
この侍たちの総大将が、武官の最高職近衛府の右大将と左大将の二人が任命されていました。
朝廷の官職には文官貴族と武官の貴族と大きく分けられます。
この文官の大臣には、生え抜きの貴族の息子さんが任命されます。
だから並の家柄の息子さんは、大臣には就任する事が出来ません。
ところが武官の最高職近衛府の左大将と右大将は、三位の位でありながら、並の家柄の貴族は基本的には就任する事が出来ませんでした。
近衛府の左大将と右大将に就任すれば、侍全てを管理下に置く事が出来ます。
この軍事集団に差配する事により、政敵を追い出す事が可能となります。
そこで近衛府の左大将と右大将の官職には、生え抜きの貴族の指定席でありました。
文官で５人しか存在しない大納言よりも、位上では下の武官の最高職近衛府の大将は誰もが就任したい人気ランキング１位の官職でありました。
