壇ノ浦の合戦の事

私自身は、源氏として世の中栄華を極めるよりも平氏の一門衆として壇ノ浦の藻くずになる道を選択します。



本心では滅びの倫理を選びたいのですが、現実的に場面に遭遇した時には真っ先に平氏を裏切っては源氏方の武士として勲功を立て登記済証を源頼朝に頂くかもしれません。



あの源平合戦は、日本史上一番に美しく武士が滅び去った合戦でございます。



平氏の総大将平宗盛と息子の平宗清は、泳ぎが上手ったので沈む事も出来ずに源氏方に生け捕りにされてしまったのでございます。



しかし総大将平宗盛の弟で、合戦の総指揮官平智盛は今は観るべき物は総て観たと云って乳人の武士と手を取り合い海に沈んで行ったのでございます。



そして平氏随一の名将平教常は、源氏の総大将源判官義経を探して源氏方の舟を飛び越え飛び越え追い求めたのでございます。



平教常は、等々源判官義経を追い詰めました。



源判官義経は、この平氏随一の名将には合戦では勝つ事が出来ないととっさに判断して空中を飛んで違う舟に乗り移ってしまった。



平教常は、武士の技では総てに於いて源判官義経に勝っていました。



しかし跳び技だけが、源判官義経の方が優れていたのでございます。



平教常は、平氏の運命も此れで尽きたと云って源氏方で剛力の兄弟を脇に抱えて冥土の共をするのだと云いながら海に飛び込んだ。



平教常と共に冥土に引きづり込まれた兄弟は非常に迷惑な事でございます。



そこで源判官義経の計らいにより、兄弟二人の親類縁者は数多の領地を源頼朝に頂く事が出来た



また平氏方は、海での合戦は得意中の得意分野でございます。



そこで壇ノ浦の戦いでは、最初は平氏方優勢で始まりました。



様子見をしていた四国や中国地区の武士団は、平氏方に味方していたのでございます。



ところがイルカ🐬が現われて、平氏方の舟の下を横切ったのでございます。



昔は不可思議な前兆が起きると、一緒に連れて来ていた陰陽道に占わせました。



占い師の結果は、総大将平宗盛に報告されたのでございます。



平宗盛は、占い師の結果を聴いて顔色が変わりました。



今回の合戦は、源氏方の大勝利で幕を閉じる事になりますと云った。



しかし四国や中国地区の武士団は、イルカ🐬が横切った事の意味を理解していたのでございます。



イルカ🐬が横切って行く事は、今までは平氏方に有利な潮の流れが源氏方に有利な潮の流れに変化する事を知っていたのでございます。



四国や中国地区の武士団は、一斉に平氏方を見限り源判官義経に名刺を提出したのでございます。