法然上人は、現在の岡山県美作国の押領使と云う父親の元に産まれました。
法然上人の父親は、武士であり地方の有力者漆間氏の一族でした。
ところが漆間氏の近隣の武士が夜討を仕掛けて、まんまと討ち取られてしまいました。
この夜討の一部始終を目撃していた法然上人は、若干九歳の少年であったが、夜討を仕掛けた大将目掛けて弓矢を放ちました
しかし弓矢は大将命中する事もなく、敵将は館から退出してしまった。
勢至丸よ!決して父の仇討ちをしようと考えてはならない。
勢至丸が仇討ちを果しても、また相手方の一族も仇討ちを果たそうとする。
此れではお互いの一家一門衆同士が、仇討ちの連鎖に陥ってしまう。
勢至丸よ!そなたは知恵才覚に優れている。
そこで我が漆間氏の代々の地位を捨てて、比叡山延暦寺に行き高僧となり我が御霊を弔ってくれと懇願した。
勢至丸は頭の良い子供であり、武家の身分を脱ぎ捨てて比叡山延暦寺の僧侶になった。
勢至丸は、後の法然上人であります。
ところが余りの頭の良さから比叡山延暦寺に在庫があった経典を全部読破してしまったのでした。
比叡山延暦寺に居た同僚たちは法然上人に対して危機感を抱くようになった。
この天台座主に就任するのは、生え抜きの貴族の子弟が就くのが前列でした。
其れも並の貴族ではなく、摂政関白家や大臣家の子弟でした。
ところが法然上人のように知恵才覚に優れていると、天皇家に気に入られて天台座主に就任してしまうのではないかと思った
そこで現職の天台座主は、僧侶を騙して法然上人を虐めるようになった。
法然上人は、同僚たちからの虐めに耐えかねて１５歳で比叡山延暦寺を退職した。
しかし法然上人の頭の中には比叡山延暦寺で読み込んだ経典がぎっしり詰まっている。
そこで京都に小さい庵を借りて仏教の講義などを開いた。
其れも位の高い人々ではなく、農民や商人や職人たちをダーゲットにした。
法然上人の修行方法は、至って簡単である。
其れは仕事の合間に南無阿弥陀仏を唱えるだけであった。
この法然上人の推奨する南無阿弥陀仏を唱えるだけと云う修行方法では、比叡山延暦寺での厳しい修行は不要と云う事である
此れでは古い仏教の宗派の必要性がなくなってしまうと考えた
そこで朝廷に頼み込んで法然上人を流し者にしてしまった。
ところが法然上人が流された土地で、信者が増えて問題視された。
だから法然上人を京都に呼び戻して監視役を付けた。
ところが法然上人の監視役自体が、法然上人の信者になってしまう。
また朝廷の代理人でもある摂政関白殿下自体が、法然上人の講義を聴く始末でした。
そこで法然上人の教えを朝廷が公認する事になり浄土宗の開祖となった。
