日本国の軍記物語の双璧

日本国の軍記物語の双璧と云えば、平家物語太平記です。

平家物語と云えば、生え抜きの貴族たちから番犬のようにこき使われた武士が時の時流に乗って貴族を圧倒して行く物語であります。

一方太平記は、鎌倉幕府の実力者執権職北条家の横暴に堪えかねた足利家を筆頭各に反旗を繰り広げた物語です。

鎌倉幕府の初期には、執権職北条家の人々も実力者でありながら相模守兼従四位以上の官職を望む事もなく畏って政治を行っていた。


ところが執権職北条家が、守護職に任命されている国が何と45カ国に膨れ上がっていた。

日本国には、66カ国しかない。その66カ国の中で、北条家の人々が45カ国も守護職に任命されていた。

残りの国も、有力御家人守護職を奪い合っていた。

その中でも源氏の氏の長者であり、従三位兼治部大夫足利尊氏は3カ国の守護職に留まっていた。

上野国下野国三河国の3カ国である。

三河国は、鎌倉時代初期から足利家が代々任命されていた国だった。

北条家は、何とかして三河国守護職に任命されたいと考えていた。

しかし足利家も、朝廷や貴族の力を借りながら三河国を死守していた。

三河国には、吉良家や細川家や今川家や一色家など足利家一門衆を張り付けて死守した。

しかし北条高時が執権職に就任して以来、闘犬にうつつを抜かして政治は北条家執事職長崎氏に丸投げしていた。

この長崎氏は、あの平清盛の孫で平資盛の子孫に当たる名門である。

北条家も一様は、平家の子孫ではあったが系譜も辿り着く事も出来ない傍系血族であった。

この名門長崎氏が、主人筋の北条高時を出し抜き我が物顔で他の御家人を虐めた。

御家人の中の御家人足利家と安達家が、タッグを組んで密かに幕府の顚覆を企てた。

しかし機内では、楠正成や中流階級の貴族たちも密かに討幕運動を加速させた。